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不器用でも手作りを楽しむ暮らしの記録。

古い水屋箪笥のリメイク(2)~渋墨、柿渋、桐油で古色塗装

水屋箪笥のリメイク、続きます。
 
 
塗装の前に、粗めから細かめまで、やすりを数種類付け替えてサンダーで磨きました。

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ちょっと色むらがありますが、経年変化があるので、私にはこれで精いっぱい。
 
経年劣化、日焼け、そして積年の埃や蜘蛛の巣などでまあ汚かった水屋箪笥も、掃除して削ると本来の木目が出てきました。
(また、改めて書きますが、この箪笥は155年前のものじゃないかと思われます。)
 
台座が一辺欠けていたので、端材で補修、強化。

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やすりがけと補修ができたところで、木部の防虫やメンテナンスを兼ねて、塗装を施します。
 
塗装に使う塗料については、かなり検討を重ね、用意した塗料は3つ。
 

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左から、桐油、無臭柿渋、渋墨です。
 
桐油は荏胡麻油や亜麻仁油などと同じで粘着性があり、古い寺社や古民家の柱や床の防虫や補修にも使われているそうです。
 
塗りこむと経年劣化でカサカサだった木部に潤いと艶が出るので、我が家でも古い床や道具のメンテに使ってます。
無臭柿渋と渋墨は、オイル系ではなく、サラッとした自然塗料です。
 
ターナー色彩 無臭柿渋 500ml

ターナー色彩 無臭柿渋 500ml

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私の住む町にも古い武家屋敷や商家風の町並み保存区があるのですが、真っ白い漆喰に黒い板塀がとてもかっこいいのです。
 
調べると、その黒い塗料は「渋墨」と呼ばれ、柿渋をベースに松煙・醸造アルコ―ルなどを配合して作られた天然塗料でした。
 
我が家が昔ながらの板壁だったら、絶対この塗料を使うのになあ…、いずれ、縦格子の和モダン風目隠しフェンスとか作ったら、これで塗装するぞとか、いろいろ夢だけは膨らませていたのです。
 
我が家の建具、一番古そうなものが黒く塗られているのですが、もしかすると渋墨?

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ポスターフレーにリメイクした古い鏡枠の黒と赤も、渋墨と柿渋じゃないかなと思っているのですが、詳細は不明です。
 
 
渋墨は、塗装した後に触ると煤が付くので、内装や家具には不向きだと思っていたのですが、渋墨塗装の上から柿渋、または桐油や亜麻仁油などを塗ると、煤問題も解消されるそう。
 
 
ただ、柿渋がベースではありますが、色味は「黒」なので、もうちょっと赤みがあったほうが古箪笥らしい気もします。
 
しかし、黒い金具が紛失してしまっている部分や、虫食いがひどい部分は、黒のほうが目隠し効果が高そう。
 
 
悩んで、端材で色見本を作ってみました。

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左から桐油1回塗り、無臭柿渋1回塗り、無臭柿渋と渋墨のブレンド1回塗り、渋墨1回塗り
 2度塗り、3度塗りと重ねると、もっと濃く、渋い色味になります。
 
迷った末、渋墨を塗った上に無臭柿渋を上塗りして煤問題も解消し、もっと艶が欲しい場合は桐油を塗る、ということに決めました。
 
とりあえず渋墨を塗ってみます。
 

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1回塗りだと、乾くとやはりムラが気になる。

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2回塗るとムラが解消されて木目もちゃんと残る。マットな感じ。

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渋墨2回塗りに、柿渋を上塗りしたところ。煤が手につかなくなって、艶も出てきたかな。

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乾燥させる時間があるので、塗装にはやはり時間がかかりますね。
 
この後様子を見て、桐油で仕上げたいと思います。
 
ここ数日はにわかに忙しくなってきたので、今日はここまでにします♪
 
 
 
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