つくる・食べる・暮らす

不器用でも手作りを楽しむ暮らしの記録。

古い水屋箪笥のリメイク(3)~歴史編:八百吉の箪笥

前回は、サンダーで磨いた後、渋墨を2回、無臭柿渋を1回上塗りしたところまでで終わりました。
 
いい感じの黒に仕上がりました♪

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 今はこの上から、桐油を塗りこんで、コーティング&艶出しの作業をしています。

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左半分が桐油を上塗りしたところ
表側だけじゃなく、補修と強化のために、内側や引き出しの中や裏まで塗りこんでいます。
 
桐油は粘度が高くて渋墨や柿渋より塗るのに時間がかかりますが、塗りこむことでカサカサしていた木部が蘇るようで、うれしい。
 
虫食い跡などは特に念入りに塗りこみます。

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さあ、今日は難関の金具にまで取り掛かれるかなと思っていたのですが、…しくじりました。
 
買い物に行こうとしたら、車のエンジンがかからない…。
 
どうやら、ルームランプを消し忘れ、バッテリーが上がってしまったようです。
 
車検などをお願いしている販売店に連絡してみてもらうと、バッテリーそのものも交換が必要な時期。
 
スマートキーの電池もそろそろ交換時期で、さらにリコール対象となっている部品があるとのことで、それも一緒に交換してもらうことに。
 
休日でよかったよ…。そして、車のメンテもできて、めでたし、めでたし。
 
よかったけれど、水屋箪笥のリメイクの時間はとれませんでした(涙)。
 
 
なので、今日はこの箪笥の歴史について紹介してみます。
 
我が家に眠っている古道具はお値打ち品などなく、庶民的な古民具や農具ばかりです。
 
そして私は住み継いだこの家に眠る古民具にはわくわくしますが、いわゆる目利き的な知識は皆無です
 
でも、年代を特定するポイントはある程度わかってきました。

といっても、これも特別な知識ではなく、昔の人は新調した道具類や箱に住所や名前、日付をしたためる、おちゃめな(?)習慣があるからです。
 
 
 この水屋箪笥の引き出しの裏にもありましたよ、持ち主の署名が♪
 
最初は、曾祖父のもので、明治から大正にかけてのものだと当たりをつけていたのですが…。

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書かれていたのは初めて聞く「八百吉」という名前。

そして「慶應元歳」って、つまり慶應元年ってこと?

 
慶応元年は1865年だから、江戸時代じゃないですか…。
 
155年前のものってことですね⁈
 
 
 
さあ、歴史の時間です。

1865年はどんな年?


江戸幕府最後の大老が就任した(年末には罷免された)年で、前年にはかの有名な池田屋事件が起こっています。


・長崎ではグラバーが日本で初めて蒸気機関車を走らせました。


・世界に目を転じれば、アメリカは南北戦争の最中で、リンカーン大統領が暗殺されました。


・イギリスではルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」が出版され、帝政ロシアではトルストイが「戦争と平和」を発表。


・メンデルが遺伝の法則を発表。

 
…そんな年です(Wikipediaより)。
 

しかし、この家は明治に建ったはずでしたが?

 
親戚や兄弟に尋ねてみると、曾祖父の祖父である八百吉さんはそれまでは近所に住んでおり、分家して引っ越してきたのだそう。

この水屋箪笥は、八百吉さんが前の家から当時新築した我が家に持ってきたものなんでしょうね。
 
信心深さもなく、家系とかにも無頓着な私ですが、箪笥を通して八百吉さんに辿り着きました。
 
八百吉さんの箪笥は、途中、長い間物置の片隅で埃をかぶっていましたが、磨けば光って、これから先も我が家で活躍してくれそうです。
 
八百吉さんの箪笥、大事に使わせてもらいますね♪
 
…って、難関の金具をなんとかできればの話ですが💦
 

私もリメイク記念に、どこかに署名してみようかな(笑)
 
私の死後にこの箪笥をもらってくれる奇特な人がいて、八百吉や私の署名を見つけてくれると愉快ですね。
 
そのころには、コロナウィルスや今の複雑な状況はどう変化しているのだろう。
 
いろいろなことが、前向きに乗り越えられた未来でありますように。
 
古道具はインテリアアイテムとしてはもちろん好きですが、過去や未来のいろんな想像を掻き立ててくれるところが大好きなのです。
 
 
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